今回は、決して廃れることのない、クラシックスタイルについてお話したいと思います。

クラシックスタイルは、僕が最も憧れるファッションであり、最も取り入れているファッションスタイルです。
今回は、現代におけるクラシックについて考えて行きたいと思いますが、その前に、まずは、本物のクラシックを体現した男から、見ていきましょう。
JAMES BOND

ジェームズ・ボンド。1962年、イアン・フレミング原作の小説”007″が初めて映画化され、”007 Dr.No”が公開されました。
初代ジェームズ・ボンドを務めたのは、ショーン・コネリー。多くの007ファンは、彼こそが本物のジェームズ・ボンドだと頑なに主張しています。笑

しかしそれは本当で、James Bondを、男の男たるべき見本という座に確立させたのは、まぎれもなく彼でした。

ジェームズ・ボンドとは、イギリスの諜報部員。すなわち極秘スパイです。組織のあらゆる悪の計画を止めるべく、戦うのですが、彼は常に最高級な物のみを好みます。

ロンドンのサヴィル・ロウにあるテーラー、アンソニーシンクレアで仕立てられた完璧なスーツを着て、男の必需品フェドラハットを被り、手にはブリーフケース。非の打ち出しどころのない完璧なジェントルマンです。

クラシックスタイル、それはJames Bondが纏っていた、完璧なジェントルマンのスタイルです。それは永遠に廃れないスタイルですが、しかし、ここで、よく考えてみてください。
スーツが少し、ぶかっとしている、というか、大きいと思いませんか?そして、こんな人、東京で見かけたら、どう思いますか、?
そうなんです。少しシルエットがゆったりしていますよね。これが公開された1960年代は、男性は頼りがいのある、大きい身体をアピールすべく、若干ゆとりのあるスーツを好みました。
クラシカルなスーツに、フェドラハットとブリーフケース。こんな人見かけたら、もちろんカッコよくて目を引きますが、冷静に考えると、随分古臭い人だな、という印象も持ってしまいますよね。
そう、クラシックは廃れないけれど、変化はするのです。
さて、それでは、ここで現在のJames Bondを見てみましょう。

現在の6代目James Bondを演じるのは、ダニエル・クレイグ。彼は、人気が衰退しかけていた007を、2000年代にもう一度復活させた、現代のJames Bondです。

どうでしょう。シルエットがかなりスリムになったことで、かなり今っぽいクラシックスタイルに仕上がっています。

昔も今も、最高級のものを好む最高のジェントルマン、ジェームズ・ボンドは、現在はTom Fordのスーツを着ています。値段で言うと世界最高峰ですから、そのスピリットは変わっていないことがわかりますね。

しかしですね。とってもカッコイイことに間違えは無いのですが、今この格好をしていると、、
正直、めちゃくちゃかっこいいサラリーマンか、会社の社長ですよね。
そう、1960年代では、子供から大人まで、男性はみな普段着としてスーツを着ていました。

しかし今は洋服のカジュアル化が進み、スーツというと、働く時か特別な時にのみ着るものとなってしまったのです。

つまり、現代で「クラシック」といっても、前のそれとは違う上に、リアリティがない。リアリティがなければファッションは成り立たない。
それでは、現代の本当のクラシックとは、何でしょうか。
それはずばり、この人が作り上げたスタイルではないでしょうか。

またこの男か。そうですまたこの男です。
HEDI SLIMANE
彼こそ、現代のクラシックスタイルを作り上げた紛れもない革命家です。

2002年(正確には2001年)。カジュアルウェアが全世界に浸透していた時に、彼は新たなテーラードスタイル、それはスリムなシルエットのテーラードスタイルを打ち出しました。

歴史上、1度も現れたことがなかった、身体に沿う、どこか女性らしさも取り入れられたテーラードスタイル。これ以来、メンズスーツの基本はスリムシルエットになり、先程のDaniel Craigのスリムなスーツにも繋がっていくのです。

とはいっても、2000年代、15年ほど前の話ですから、これもまだ少し古臭いですよね。
しかし、2013年シーズンより就任したSaint Laurentで、彼は本当に現代のクラシックスタイルを確立させます。

Saint Laurentで彼が提案したニュー・クラシックスタイルとは、「ドレスダウン」スタイルです。

彼は、テーラードスタイルに、ジーンズ・デニム、Tシャツなどのカジュアルなアイテムを合わせました。時には、スモーキング(タキシード・正装)にデニムを合わせることも。
もちろん「ドレスダウン」スタイルは昔から、言ってしまうと1950年代から、いや、それよりも前からありました。しかしそれはクラシックスタイルとして、ではなく、ただのひとつのスタイルとして、でした。
※1950年代で言うとアイビールック、1960年代ではモッズなども、テーラードジャケットにチノパンやデニムを合わせていましたが、これはあくまでも若者のスタイルでした。

Saint Laurentで大ヒットした彼は、”Permanent collection” (permanent = 永久的な) というものを作りました。

彼の中で定番とされる、レザージャケットやトレンチコート、チェスターコート、テーラードジャケット、デニムパンツなどがパーマネントコレクションとして展開され、これらはいつでも、世界中どの店舗でも手に入れられるようになりました。
そう、これこそまさに、彼が作った現代のクラシックスタイルです。

彼の定番とされているレザージャケットやテーラードジャケット、デニムパンツは、Saint Laurentを退任した後も展開され続け、今も一部は入手可能です。
また、2019年シーズンから就任したCELINEでも、同じようなピースを制作し、定番としてシーズン関係なく手に入れられるようになっています。
そしてこのモダンなクラシックスタイルを全開に打ち出したのが、CELINEでの最初のシーズンであった2019ssシーズン。


これこそまさに現代におけるクラシックなスタイルです。CELINE 2019ssコレクションについては、詳しくお話したブログがありますので、そちらをご覧下さい。

クラシカルなピースを、少しカジュアルなものと合わせてドレスダウンする。これが、現代のクラシックスタイルです。

いかがだったでしょうか。毎回そうですが、今回は更に自己満な内容でした。笑 自分が好んで着るものを、それっぽく説明しただけですから。笑
次回は、何を書こうか。迷っていますが、また読んでいただけると嬉しいです。笑
ご精読いただきありがとうございました